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オリゴフェニレンリング

 m-フェニレンとp-フェニレンが交互に連結したオリゴフェニレンリングを設計、合成しました。導入したメチル基の立体障害により隣り合うフェニレンユニットが直交し、ナノメートルサイズの内部空間は6つのp-フェニレンに囲まれています。また頂点部位を自在に選択することができ、リングの内外を修飾することができます。例えば、容易に対形成してしまう酸性官能基と塩基性官能基をリング内部に導入することで、両官能基が相互作用せずに共存する、特異な内部環境を創出することも可能です。このような内部や外部を官能基化できる特徴をいかし、ホスト材料や超分子触媒への展開を目指し、研究に取り組んでいます。

 また、リングは固体中で積層し、1次元の空孔を形成することがわかりました。内部官能基化されたリングを用いれば、空孔内部を修飾することも可能です。そこで、内部を修飾でき、C-C 結合に由来する高い化学安定性を有する特徴をいかし、従来の吸着材料では繰り返し安定に吸着することが難しかった、反応性や腐食性の高い化学物質を対象とした吸着材料へ展開することを目指しております。

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• K. Ono, Y. Tanaka, K. Sugimoto, S. Kinubari, H. Kawai

   ACS Omega 2022, 7, 45347–45352.

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